成功事例に学ぶ企業オウンドメディアの作り方(国内大手飲料メーカー編)

そもそも、オウンドメディアとは

本記事では、あなたが、仕事で「オウンドメディアを立ち上げて」と言われた際に役に立てればと思います。どのような想定で作るのか、自社のサービスの場合だったらどうなのかなど、想像しながら本記事を読み進めていただければと思います。

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オウンドメディア(Owned Media)とはメーカーや事業会社が「自社で保有するメディア」の総称です。

本来は自社を紹介するパンフレットや自社サイトなどすべてを指しますが、デジタルを活用したオンラインマーケティングの中では自社で運営・情報発信を行うブログのようなWebサイトを意味することが多いです。

 

オウンドメディアと一口に言っても、企業のマーケティング戦略や発信したいブランドメッセージによって全く異なります。幅広く話題づくりで新たなユーザーとの接点を作るもの、特定分野の深い知識を発信してコアなニーズにユーザーをひきつけるもの、ユーザーの疑問に専門家として回答するものなど、表現は多様です。

 

国内大手飲料メーカー編

これまで飲料メーカーは、スーパーやコンビニ、あるいは自販機の販売が中心直接ユーザーとの接点を持つことはありませんでした。しかしユーザーの生の声を収集し、ファンを増やすためにオウンドメディアで、直接ユーザーとの接点を持ち、関係を深めようとする企業が増えてきました。

 

今回は、大手国内飲料メーカー3社のオウンドメディアを例にとり、どのようなコンテンツ発信を行なっているのかを考察しました。企業のブランドメッセージを独自の目線で情報配信していたり、オリジナルの切り口で周辺サービスの発信を行なっていたりといった、各社の取り組みをご紹介いたします。

 

  • 日本コカコーラ株式会社「Coca Cola Journey (コカコーラ ジャーニー)」

  • サントリーホールディングス株式会社「サントリーグルメガイド」

  • キリンホールディングス株式会社「キリンビール大学」

 

企業ページらしくない表現でユーザーとの距離を縮める

中でも熱心な取り組みを続けている日本コカコーラ株式会社、新たな挑戦を繰り返しながら一般消費者のニーズを掴み続ける企業の情報発信をご紹介いたします。

 

コーポレートサイトは会社の規模や業績などを伝えるための規定の情報をシンプルに掲載する企業が大半です。しかし、コカコーラのコーポレートサイトは「コカコーラ ジャーニー」と題して、一般の人にもわかりやすく会社の取り組みを伝えるオウンドメディアサイトとなっています。

 

「ストーリー」では、自社の取り組みについてのコンテンツが、製品開発の裏話を語るインタビューや、ペットボトルリサイクルやプラスチックのごみ問題をどう解決していくかを解説するコンテンツを多数掲載されています。これを読むとコカコーラがどのような想いで製品を作り、環境を守っていこうと考えているか伝わってきます。

 

コカコーラジャーニーのWebサイトをレイアウトやデザイン的な視点から見ると、それぞれのコンテンツに優先度がなく、リンクの大きさやコンテンツ内容までの回遊経路も情報に優劣をつけない表示形式になっています。これは、どのカテゴリーのコンテンツであるかはあまり重視せず、関連する内容を次々に見てもらおうとしているのでしょう。

 

実際に、ストーリーのコンテンツを経由してサイト内を回遊することで、堅い内容である企業情報やサスティナビリティについても興味を持って読んでみようという気持ちが湧いてきます。ページもカラフルで写真やイラストなどのビジュアルもふんだんに使われているので、わくわくする感じがします。

 

補足:2020年3月以降、ストーリーの更新が止まっているのは残念です。

 

Fコカ・コーラジャーニー

 

周辺サービスを巻き込むことで相乗効果をうむ

「ハイカラ」この言葉を聞いて何を思い浮かべますか?

これは昭和初期に西洋から来た新しい生活様式のことをさしますが、最近では『ハイボール × 唐揚げ』を思いうかげる方も少なくないのではないでしょうか?

 

サントリーは、飲料メーカーなのにグルメ情報を発信しています。ユーザーの「食べたい」という行動に即した情報を発信することで自社の商品を取り扱っている店舗への送客を目的とした情報発信を行なっています。

 

これは、単に美味しい料理と一緒に飲むことで、より美味しくハイボールが飲めるということを紹介するだけではありません。日本全国でサントリーのお酒とともに食事ができるお店を検索できます。店舗の創客支援をすることで、取り扱い店舗とのつながりを強化していると感じられます。

 

オウンドメディアのターゲットはあくまで BtoCではあるものの BtoB の側面で支援をしています。サントリーには、販売をしている店舗と一緒に売り上げを伸ばしていこうという戦略があり、メーカー、取り扱い店舗そしてユーザーをつなぐコミュニケーションを行なっているのです。

 

サントリーグルメガイド

 

コアなユーザーの心を惹くより高い満足度のコンテンツ発信

キリンのオウンドメディア『キリンビール大学』は「ビールをもっと知る・楽しむ・遊ぶ」をコンセプトに掲げ、自社製品のキリンビールを飛び越え、ビール×〇〇のコンテンツ配信を行っています。

これはメディアのネーミングもさることながら、ユーザーの知識欲に対するアプリーチでコンテンツの配信を行なっています。

 

例えば、ビール用語集や、ビール理解度チェックなど、ビールにまつわる情報を発信するだけではなく、ユーザーが気になっている用語の検索や、ビールの知識度を測るクイズなどを定期的に発信しています。

コンテンツは、テキストのみで説明するのではなく、イラストをふんだんに使ったり、クイズなどのゲーム性のあるコンテンツや、レベルを設けることで、知る、楽しむ、遊ぶをサイト全体を通して表現しています。

 

初めて来たユーザーに対してはビールの理解を深める知識を提供し、コアなファンには新しい気づきが得られる情報を発信しているのです。

 

キリンビール大学

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

あなたがもし、オウンドメディアを作る際は、どんなメッセージを発信したいと感じましたか?自身が思っている理想のユーザーとの関わり方をオウンドメディアを通して作り上げてしてみるのはいかがでしょうか。

 

とはいえ、企業によって様々な戦略があり、適したコミュ二ケーション設計をするのはそう簡単なことではありません。

 

今回は3つの事例を紹介しましたが、どれも、コンテンツから作るのではなく、ユーザーとどのような接点を持つのかを先に考え、どうあることがいいのかそんなコミュニケーションの設計がされているように感じます。

 

まずは自社が発信したいメッセージとは何か、ユーザーをどのようなコミュニケーションを取っていくことが理想なのかをチームや部署のメンバーと考えてみましょう。きっといくつもの方向性が見えてくるはずです。

 

石原 強 (Tsuyoshi Ishihara)

株式会社アーチャレス 代表取締役社長 / デジタルマーケティングディレクター Webの黎明期である1996年からこれまで20年以上、大手企業のWebサイト構築、運用を手がけ、ネット戦略立案から社内体制づくりを企業担当者とともに実践してきたデジタルマーケティングのエキスパート

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