オンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーを開催する際に、必要不可欠なツールの一つが動画配信ツールです。
現在ではたくさんの動画配信ツールがあります。そのため、動画配信ツールにはどのような種類があるのか、また自分のニーズにあった動画配信ツールがどれなのか迷うことが多いと思います。
そうしたお悩みの方へ、動画配信ツールの種類や選定のポイント、おすすめの動画配信ツールを紹介します。
動画配信ツールの種類
開催したいオンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーの目的や内容によって動画配信ツールも用途にあったツールを選ぶ必要があります。
動画配信ツールは、配信方法の違いから「片方向(ブロードキャストサービス)」と「双方向(ビデオ会議サービス)」の2種類に大きく分けられます。
この2つは、それぞれ役割が違うため、自分たちのやりたいイベントやセミナーのスタイルに合う動画配信ツールを選択しなければなりません。
まずは、この2つの動画配信ツールに、どのような違いがあるのか見ていきましょう。
1.片方向の動画配信ツール(ブロードキャストサービス)
片方向(ブロードキャストサービス)の動画配信ツールとしてはYouTubeが有名です。
同様のサービスとしてTwitchやSHOWROOM、Facebookのライブ機能なども含まれます。
片方向の動画配信ツールは、主催者側が一方的に動画を配信するスタイルで、多くの視聴者に安定した配信を求められるケースに向いています。
数千〜数万人以上の規模で視聴者が同時視聴しても安定した動画配信ができ、高画質・高音質の動画を配信できます。
例えば全社総会や大規模イベントの基調講演、メディア向けの発表などの動画配信にマッチするでしょう。
一方で、視聴者側は基本的には動画を見るだけとなっており、双方向のコミュニケーションには不向きです。
そのため、チャット機能やコメント投稿機能を組み合わせて双方向のコミュニケーションを実現することが多くなっています。
2.双方向の動画配信ツール(ビデオ会議サービス)
双方向(ビデオ会議サービス)の動画配信ツールとしてはZoom、Google Meetなどが有名です。
リモートワークの広がりで利用が増えたビデオ会議のシステムで、2名以上の双方向通信が可能な動画配信ツールです。
参加者がお互いに動画でコミュニケーションをとれるため、インタラクティブ性の高い動画配信を実現できます。
また、参加者同士で画面やファイルの共有ができるため、会議や打ち合わせ、テレワークなどに向いています。
数百人規模までの講演が手軽に始められるのもこのサービスの特徴でしょう。
片方向の動画配信ツールでは、エンコーダーやカメラ(Webカメラ)、場合によってはマイクなどを別途用意する必要があります。
それに対して双方向の動画配信ツールは手元のPC、スマートフォンからすぐに配信ができます。一方で、画質や音質は少々荒くなりがちです。
もともとコミュニケーションのリアルタイム性を重視して設計されており、対話を重視したオンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーで利用する場合が多く、画質の弱点を不満に思う利用者は多くないでしょう。
5つの選定ポイント
動画配信ツールは、オンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーの用途に合わせた「片方向」と「双方向」の2種類があることをご説明しました。
それを念頭に動画配信ツールを選定する5つのポイントに気をつけましょう。
-
ライブ配信かオンデマンド配信か
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動画の品質
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最大の視聴人数
-
アクセス制限が必要か(参加者以外に見られないようにする)
-
講演者と参加者のコミュニケーション
動画配信ツール選択には開催したいオンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーで動画配信をするコンテンツの内容をしっかりと確認して、把握しておくことが重要です。
1.ライブ配信なのかオンデマンド配信なのか確認
例えば、何か新しい発表や表彰、即時性が高いコンテンツの場合はライブ配信が向いています。
ただし、ライブ配信はあらかじめ決められた時間で配信を行うため、その決められた時間に配信を見てもらう必要があります。
一方で、オンデマンド配信の場合は、視聴者が参加したいタイミングでアクセスすることができるため、繰り返し見てもらいたいコンテンツや、急を要しないコンテンツに向いています。
企業がオフラインで行っていたサービス説明会のような、同じ内容のセミナーを繰り返し配信したい場合はオンデマンド配信の方が多くの人に視聴を促すことができ、一度収録したコンテンツを何度も利用することがでるので効率的です。
2.コンテンツに合わせて動画の品質を確認
高画質・高音質の映像コンテンツを提供したいオンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーであるのか、画質よりもコミュニケーション性を重視するのかを確認し、適切な動画配信ツールを選定しましょう。
3.最大の視聴人数を確認
動画配信ツールによって同時に視聴できる人数が限られている場合があるため必ず確認しましょう。
開催するオンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーの参加者数を想定して、動画配信ツールの中には基本プランから同時接続数を増やすオプションプランが設定されているものもありますので、適したプランで契約が必要です。
4.アクセス制限が必要か確認
視聴できるのは、社内や関係者のみ、事前登録した人のみにしたい場合は、それ以外の人が視聴ができないようにアクセス制限を施す必要があるのかも重要な確認ポイントです。
5.講演者と参加者のコミュニケーションに関する確認
「双方向」のコミュニケーションが、リアルタイムで必須になるのかを確認します。
講演者と参加者のリアルタイムコミュニケーションを行う場合、開催したいオンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーによって、動画配信ツールに付属するコメント投稿やチャット機能で補完できるのか、別のツールを用意する必要があるのか、適切な手段を確認しておきましょう。
おすすめの動画配信ツール7選
最後におすすめの動画配信ツールを紹介したいと思います。
1.無料で配信したいなら「YouTube」
ツールの種類 |
ブロードキャストサービス(片方向) |
||
配信スタイル |
ライブ配信、オンデマンド配信 |
|
|
同時接続数(プラン) |
ほぼ無制限 |
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価格(プラン) |
無料 |
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アクセス制限 |
・非公開URL |
||
ブラウザ視聴、サイトへの埋め込み |
ブラウザ視聴可能、埋め込み可能 |
||
コミュニケーション機能 |
・コメント投稿 |
片方向(ブロードキャスト)の動画配信ツールとして代表的なのがYouTubeです。
費用をかけずに無料で配信可能な点が最大の特徴で、同時接続人数もほぼ無制限です。多くの人に向けて動画配信できて、費用を抑えたい場合に向いています。
一方でセキュリティは特に設けていなく、URLの限定公開などに留まっている点に注意が必要です。
2.高画質で配信したいなら「Vimeo」
ツールの種類 |
ブロードキャストサービス(片方向) |
配信スタイル |
ライブ配信、オンデマンド配信 |
同時接続数(プラン) |
ほぼ無制限 |
価格(プラン) |
・無料 |
アクセス制限 |
・非公開URL |
ブラウザ視聴、サイトへの埋め込み |
ブラウザ視聴可能、埋め込み可能 |
コミュニケーション機能 |
・コメント投稿 |
Vimeoも片方向(ブロードキャスト)の動画配信ツールとしては有名なツールです。
特に高画質の動画の配信ツールとして利用されることが多いです。
ライブ配信をするためには有料プランに加入しなければいけません。ですが、有料会員になることで動画にパスワードやワンタイム機能などのセキュリティを施すことができます。
3.セキュリティを重視するなら「J-Stream Equipmedia」
https://www.stream.co.jp/service/platform/equipmedia/
ツールの種類 |
ブロードキャストサービス(片方向) |
配信スタイル |
ライブ配信、オンデマンド配信 |
同時接続数(プラン) |
・50人 |
価格(プラン) |
・Startup 50,000円/月 |
アクセス制限 |
・再生ドメイン制限 |
ブラウザ視聴、サイトへの埋め込み |
ブラウザ視聴可能、埋め込み可能 |
コミュニケーション機能 |
チャット |
J-Stream EquipmediaはCDN(コンテンツデリバリネットワーク)経由でセキュリティを保ちつつ動画配信を行える、国内の動画配信ツールです。
無料プランは用意されていませんが、高画質かつセキュリティを重視したオンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーを開催したい場合に向いています。
4.セミナー全体を支援してほしいなら「V-CUBEセミナー」
https://jp.vcube.com/service/seminar
ツールの種類 |
ブロードキャストサービス(片方向) |
配信スタイル |
ライブ配信、オンデマンド配信 |
同時接続数(プラン) |
26,000人 |
価格(プラン) |
350,000円〜/イベント開催 |
アクセス制限 |
パスワード |
ブラウザ視聴、サイトへの埋め込み |
ブラウザ視聴可能 |
コミュニケーション機能 |
・チャット |
V-CUBEセミナーは片方向(ブロードキャスト)の動画配信ツールですが、オンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナー単位で利用できるサービスになります。
動画配信だけでなくコミュニケーション機能やセミナー申込などのイベントを開催するための必須機能が最初から備わっています。
また国内サービスでもあるのでサポートを受けやすいのも特徴です。
5.Webブラウザで配信したいなら「Google Meet」
ツールの種類 |
ビデオ会議サービス(双方向) |
配信スタイル |
ライブ配信 |
同時接続数(プラン) |
・Google Meet 100人 |
価格(プラン) |
・Google Meet 無料 |
アクセス制限 |
・URL |
ブラウザ視聴、サイトへの埋め込み |
ブラウザ視聴可能 |
コミュニケーション機能 |
・参加者のリアルタイム通話 |
Googleアプリを積極的に使っている方は、双方向の動画配信ツール(ビデオ会議サービス)としてGoogle Meetの存在を知っていると思います。
Googleのサービスは基本的にWebブラウザでの利用が可能となっており、Google Meetも例外ではなく、ブラウザでの配信視聴になります。
そのため、アプリを入れられない環境など、Webブラウザで完結させたい時に向いています。
6.簡単にWebで面談をしたいなら「Zoom」
ツールの種類 |
ビデオ会議サービス(双方向) |
配信スタイル |
ライブ配信 |
同時接続数(プラン) |
・基本 100人 |
価格(プラン) |
・基本 無料 |
セキュリティ |
・アプリ視聴のホスト招待 |
ブラウザ視聴、サイトへの埋め込み |
ブラウザ視聴不可(アプリ視聴のみ) |
コミュニケーション機能 |
・参加者のリアルタイム通話 |
双方向の動画配信ツール(ビデオ会議サービス)で簡単に面談や打ち合わせなどをお考えの場合、Zoomが向いているといえます。
3人以上のグループでの利用では時間に40分制限がかけられていますが、2人での利用であれば制限はありません。
有料版ではグループでの時間制限がなくなり、企業でアカウントを管理することもできるので、より便利に利用できるでしょう。
7.組織的に利用したいなら「Microsoft Teams」
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software
ツールの種類 |
ビデオ会議サービス(双方向) |
配信スタイル |
ライブ配信 |
同時接続数(プラン) |
・Microsoft Teams 100人 |
価格(プラン) |
・Microsoft Teams 無料 |
アクセス制限 |
・URL |
ブラウザ視聴、サイトへの埋め込み |
ブラウザ視聴可能 |
コミュニケーション機能 |
・参加者のリアルタイム通話 |
Microsoftのアプリを利用されている企業の方は多いと思います。
そのような場合にファイル共有や画面共有をしながら、オンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーを行いたい場合にMicrosoft Teamsは向いています。
個人のアカウントとは別に、学校や会社などのアカウントごとにユーザーの管理もできるので、より組織の管理向けと言えます。
また、Microsoft365 Business Standardの有料版パッケージでは、ライブイベントという最大10,000名の配信を行うこともできます。
まとめ
オンラインイベントやオンラインセミナー、ウェビナーを開催する際に必要な動画配信ツールについてご紹介しました。
動画配信ツールには「片方向」と「双方向」へ配信の違いがあり、個々のツールにも向き不向きがあります。
大きなイベントでは、基調講演は「片方向」パネルディスカッションは「双方向」といったように目的によって複数の動画配信ツールを使い分けることもあります。
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