コロナ禍によって大きく社会情勢が動き、オンラインのイベントやセミナー、オンライン展示会が注目されています。遠方であっても参加可能な点や、日時を選びやすいのが参加者側のメリットです。主催者側も会場費用や人件費を大幅に削減できるメリットを享受することができるので、今後ますます賑わっていくことでしょう。
そんなオンラインイベントやオンライン展示会の開催に必要なのがオンラインイベントプラットフォームまたはオンライン展示会プラットフォームです。
目次
オンラインイベント開催に必要なプラットフォームとは
まずはオンラインイベントのプラットフォームまたはオンライン展示会プラットフォームについてご説明します。
オンラインでのイベント開催に必要なシステムは大きく2つあります。オンライン会議や講演用の動画配信ツールと、オンラインイベントプラットフォームです。
オンライン会議や講演用の動画配信ツールとは、実際に行うセミナー、パネルディスカッション、サービス説明などの動画コンテンツを参加者に配信するために必要なシステムです。
代表的なものは「YouTube」や「Zoom」などです。普段利用するツールでもあり、すぐに見つかると思います。動画配信ツール単体でも小規模なイベントを開催することは可能です。
動画配信ツールをもっと詳しく知りたい方はこちら
オンラインイベント、オンラインセミナーの動画配信ツールの選び方、おすすめサービス7選
では、オンラインイベントプラットフォームとはどのようなものでしょうか?
それは、オンラインセミナーや展示会の申込や参加者情報を管理するシステムです。中~大規模なイベントを開催する場合は、動画配信ツールと組み合わせて使用します。
例えば、数日間にわたって複数トラックのセミナーを開催するオンラインカンファレンスや、オンラインセミナー、ライブ講演に加えて協賛企業の展示ブースを設置してオンデマンド動画を流すオンライン展示会のようなイベントです。
基本的な機能は、参加者のイベントサイトへの入場時の認証機能、競合排除、セミナーの関連資料のダウンロード、参加者と主催者のコミュニケーションを促進するアンケートやチャット機能です。参加者コンテンツの閲覧を分析したり、有料セミナーの課金を行うための決済機能を持つプラットフォームもあります。
これまでに動画配信ツールによるオンラインイベント開催の経験がある人でも、イベントプラットフォームはご存知ない人が多いと思います。
そこで、オンラインイベントプラットフォームとは、どのようなものなのか次の章で詳しく説明していきます。
オンラインイベントプラットフォームの種類
オンラインイベントやセミナー、オンライン展示会のイベントプラットフォームは、大きく2種類に分けることができます。それぞれ次のような特徴があります。
1.汎用プラットフォーム
汎用プラットフォームは、マーケティングオートメーションツールを中心に必要なツールを組み合わせて構築したものです。そのため顧客やユーザーのトラッキングデータを普段のデジタルマーケティング活動と連動して一元管理できます。
また、ユーザーのセグメントが柔軟に設定でき、参加者の中でも新規と既存顧客を分けて対応したり、イベントに長期的にフォローすることにも向いているでしょう。
データを管理するための機能や外部のデータベースや分析ツール等との連携も可能なので、イベントのデータをマーケティング活動に有効活用できます。
オンラインイベント参加者の行動をきちんと追って普段のマーケティング施策と連携を強くしたい場合や、自社でマーケティングオートメーションを導入済みで、見込顧客データを有効活用したい場合は、こちらが良いと思います。
2.専用プラットフォーム
専用プラットフォームの最大の特徴は、オンラインイベント開催に必要な機能があらかじめ準備され、パッケージ化されていることにあるでしょう。
参加者の申し込み、動画配信、チャットやお問い合わせなどのコミュニケーション機能が最初からセットになっているので、オンラインイベントやセミナー、展示会を開きたいときに、すぐに対応できます。
オンラインだけでなく、リアルイベントの管理やオンラインとリアルのハイブリッドイベントにも対応しているプラットフォームもあります。
注意する点としては、参加者データがプラットフォーム内に格納されるので、イベント後のフォローや顧客分析のためには、データをプラットフォームから出力して既存の顧客データベースと紐づける必要があります。
これまでデジタルマーケティングをあまり行っていいない企業で、まずはイベントの開催を目標としている場合はワンパッケージ型の専用プラットフォームは手っ取り早い選択だと思います。
オンラインイベントプラットフォームを選ぶポイント
汎用プラットフォーム、専用プラットフォーム、それぞれに得意なことがあることがわかりました。
では、オンラインイベントプラットフォームを選ぶポイントはどこにあるのでしょうか?
オンラインイベントやセミナー・展示会で管理プラットフォームを選ぶ際に注意しておきたいポイントを4つまとめました。
1.ユーザービリティ
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申込やセミナー閲覧、お問い合わせなどの基本的な操作がわかりやすいか
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PCだけでなくスマートフォンでの閲覧がしやすいか
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自社のニーズで機能やデザインのカスタマイズが可能か
まず何より大事なこと、それは「参加者がストレスを感じないか」という点です。
それはプラットフォームのUIであったり、描く導線の作り方であったりと、実際に使用してみなければわからないこともあるでしょう。
デモサイトや実際のイベントに参加して、確認してください。
2.マーケティングデータ獲得
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アンケートやお問い合わせから、マーケティング、セールスに有効な情報を得られるか
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アクセスログや視聴ログなどで、ユーザーの行動を把握できるか
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自社で利用しているマーケティングツールとデータ連携ができるか
どのようなデータが得られるのか、必要なデータは取得できるのか、機能や連携アプリのリストをチェックしておく必要があります。
また、得られたデータをマーケティングに活かせるか、イベント開催前に戦略を練っておくとオンラインイベントやセミナー・展示会を有益に活用できます。
3.セキュリティ対策
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講演者がクローズドの情報を扱う場合、許可された人だけがアクセスできるようにできるか
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参加者の個人情報が流出しないような、サーバーのセキュリティ対策、なりすまし防止対策などが行われているか
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機能別にアクセスするユーザーの管理権限が設定できるか
データのセキュリティが守られるか、またトラブルが生じた際に少しでも軽減できる作りになっているかも、確かめておくと良いでしょう。
どのようなトラブルが想定されるか、イベントやセミナー・展示会の内容によって変わると思いますので、そうしたことも想定しておくことが必要です。
4.イベント運営サポート
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操作マニュアルの提供や操作レクチャーを受けられるか
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ツールの操作やカスタマイズなどのテクニカルサポートがあるか
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動画配信の事務局などのオペレーションサポートがあるか
そして最後に、予想していなかったトラブルというのはいつでも起こり得ます。その時にプラットフォームとしてサポートやサービスがあるか、またはどこに連絡すべきなのか確認しておきましょう。
おすすめプラットフォーム9選
では、ここからは実際におすすめのオンラインイベントプラットフォームをご紹介していきます。
1.汎用プラットフォーム
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1.HubSpot(ハブスポット)
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2.SMP(シャノンマーケティングプラットフォーム)
2.専用プラットフォーム
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1.Event BASE(イベントベース)
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2.eventos(イベントス)
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3.デジ展(デジテン)
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4.EXPOLINE(エキスポライン)
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5.EventRegist(イベントレジスト)
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6.eventhub(イベントハブ)
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7.EventIn(イベントイン)
汎用プラットフォーム 1.HubSpot(ハブスポット)
動画配信 |
Vimeo、YouTube、Zoom 他 |
デザイン変更 |
テンプレート利用、オリジナルデザイン(HTML)可能 |
マーケティングツール連携 |
Salesforce、Zendesk、Shopify 他(API提供) |
ハイブリッドイベント |
未対応※設定次第で対応可能 |
サービスの特徴
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グローバルで実績ある高機能なデジタルマーケティングプラットフォーム
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イベントだけでなくマーケティング、セールス、サポートと幅広い業務で活用できる
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多数の外部ツールと連携できるなどカスタマイズ性が高い
世界120か国以上で活用されているマーケティングプラットフォームです。マーケティングだけでなく、セールスやサポートにも幅広く活用できる多機能なプラットフォームです。そこには、オンラインイベントやセミナー・展示会に必要な機能も搭載されています。
Vimeoと協力してオンラインイベントのガイドを制作しているので、参考になるでしょう。
汎用プラットフォーム 2.SMP(シャノンマーケティングプラットフォーム)
動画配信 |
Vimeo、YouTube、J-Stream Equipmedia、V-CUBEセミナー |
デザイン変更 |
テンプレート利用、オリジナルデザイン(HTML)可能 |
マーケティングツール連携 |
Salesforce、kintone (API提供) |
ハイブリッドイベント |
対応 |
サービスの特徴
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国産のイベント管理プラットフォームとして長い歴史がある
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マーケティングプラットフォームとして国内No.1の導入実績
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多機能なので、企業毎のこだわりや細かな要望にも対応が可能
SMP(シャノンマーケティングプラットフォーム)は、日本製のマーケティングプラットフォームです。
リアルイベントや展示会での来場者管理ツールが元になっており、イベント管理業務に必要な機能が豊富なのはもちろんですが、オンラインイベントやセミナー・展示会のみの場合、デジタルマーケティングまで連携していく場合など、目的ごとにプランが分かれているので、選びやすいでしょう。
SMPによるオンラインイベントのデモサイトが閲覧可能です。
専用プラットフォーム 1.Event BASE(イベントベース)
動画配信 |
Vimeo、YouTube、Zoom |
デザイン変更 |
規定のデザインテンプレートでロゴ、背景などを変更可 |
マーケティングツール連携 |
未対応※CSV等のデータ出力で手動連携可能 |
ハイブリッドイベント |
対応 |
サービスの特徴
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参加者にわかりやすいUIで機能豊富なプラットフォーム
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参加者のマッチングとコミュニケーションを活性化する機能が豊富
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協賛会社も専用の管理ページで情報更新や個別商談がしやすい
Event BASE(イベントス)は、自社イベントだけでなく、協賛会社を募った大規模なオンライン展示会を開催することができるプラットフォームです。
オンラインでは参加者との対話が難しいと言われますが、偶然の出会いを演出する「ランダムマッチング」や、興味関心の集まる「交流ラウンジ」といったコミュニケーションを活性化する機能が搭載されています。
主催社と協賛会社双方に使いやすい管理ページが用意されてています。主催者がID/PASSを設定するだけで、協賛会社がイベントサイト上で情報発信したり、セミナー開催、商談まで自由に行えます。
専用プラットフォーム 2.eventos(イベントス)
動画配信 |
専用配信ツール |
デザイン変更 |
デザインテンプレートをCSSやHTMLでカスタマイズ可能 |
マーケティングツール連携 |
未対応※CSV等のデータ出力で手動連携可能 |
ハイブリッドイベント |
対応 |
サービスの特徴
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ワンパッケージで全て揃う高機能なプラットフォーム
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ユーザーにわかりやすいUIとカスタマイズ性が高い
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Webサイトだけでなくイベント専用アプリも作成できる
eventos(イベントス)はオンラインからオフライン、ハイブリッドイベントまでさまざまなイベントやセミナー、展示会をワンパッケージで開催できるプラットフォームです。
開発元はスマホアプリ開発も行っているので、イベント用のスマホアプリ作成機能も準備されています。オンラインだけでなくリアルイベントの参加者をサポートし活性化する工夫がなされています。
eventosによるオンラインイベントのデモサイトが公開されています。
専用プラットフォーム 3.デジ展
動画配信 |
Vimeo、YouTube |
デザイン変更 |
規定のデザインテンプレートでロゴ、色、背景などを変更、オリジナルデザイン(HTML)可能 |
マーケティングツール連携 |
未対応※CSV等のデータ出力で手動連携可能 |
ハイブリッドイベント |
未対応 |
サービスの特徴
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オンライン展示会に特化したプラットフォーム
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ユーザーにわかりやすいUIとカスタマイズ性が高い
-
Webサイトだけでなくイベント専用アプリも作成できる
デジ展(デジテン)はオンライン展示会に最適化されたプラットフォームです。
メインステージとブース展示のテンプレートが複数準備され規模やテーマに応じたイベント会場が実現できます。
開発元はブランドのコンサルを行っており、企業のブランド体験を高めるイベント会場のオリジナルデザインも可能です。
オンライン展示会はリアルの展示会に比べて主催者から参加者に個別アプローチしずらいことが弱点ですが、デジ展は主催者から参加者に声をかけるチャット機能を搭載しており、対面の商談へ結びつける工夫がなされています。
デジ展によるオンラインイベントのデモ体験ができます。
専用プラットフォーム 4.EXPOLINE(エキスポライン)
動画配信 |
Vimeo、YouTube、J-Stream、Zoom |
デザイン変更 |
オリジナルデザイン(HTML)可能 |
マーケティングツール連携 |
未対応※CSV等のデータ出力で手動連携可能 |
ハイブリッドイベント |
対応 |
サービスの特徴
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完全オリジナルデザインでブランディング重視のイベントに適している
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必要な機能も既存モジュールと追加開発によるカスタマイズが可能
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企画、動画作成、ライブ配信、事務局対応などイベントまるごと依頼可能
EXPOLINE(エキスポライン)は、自社のブランドイメージを反映したオリジナルデザインのサイトを制作可能で、ユーザー毎のコンテンツ出し分けすることもできるので、ブランディングを重視したイベントに適したプラットフォームです。
グループ会社は、リアルイベントの企画や会場デザインの実績が豊富なので、オンライン、オフラインを問わず豊富なイベント運営経験に基づいた幅広い提案が期待できます。
オンラインイベントの”裏側”には、はじめてイベント開催する時に、どんなことに気を付けたら良いかわかりやすくまとめられています。
専用プラットフォーム 5.EventRegist(イベントレジスト)
動画配信 |
YouTube、Vimeo、V-CUBE、Zoom |
デザイン変更 |
規定のデザインテンプレートでロゴ、色、背景などを変更可 |
マーケティングツール連携 |
HubSpot、Marketo、eloqua |
ハイブリッドイベント |
対応 |
サービスの特徴
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オンラインカンファレンスのような複数セミナーのイベントが得意
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無料プランあり、有料プランも必要機能のみ課金
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必要に応じて運営人材まで相談に乗ってくれる
EventRegist(イベントレジスト)は、無料でイベントの告知、事前決済や申込み、参加者管理ができるサービスです。有料プランでは動画配信や、より細かい運営管理が可能になります。
プラットフォームの提供だけでなく、オンラインイベントやセミナー・展示会開催の企画や運営のサポートも受けられるので、はじめての開催でも安心です。
EventRegistのプラン別のデモページが閲覧可能です。
専用プラットフォーム 6.eventhub(イベントハブ)
動画配信 |
YouTube、vimeo |
デザイン変更 |
規定のデザインテンプレートでロゴ、背景などを変更可 |
マーケティングツール連携 |
Marketo、SmartEntry |
ハイブリッドイベント |
対応 |
サービスの特徴
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簡単にシンプルにオンラインイベント・展示会を開催できる
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参加者とのコミュニケーション機能が充実
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定額費用内で何度でもイベントを開催可能
eventhub(イベントハブ)はシンプルな操作でオンラインイベントやセミナー・展示会を開催できるプラットフォームです。
参加者が動画閲覧や情報収集する際、操作がシンプルで、コンテンツ間を行き来しやすい画面デザインです。主催者、出展者、参加者の相互コミュニケーションを行う機能が充実しています。
年間契約で何度もイベントを開催できるので、定期的にイベントを開催したい企業におすすめです。
オンラインイベント開催企業のアンケートをまとめたガイドブックには、担当者のリアルな声が掲載されているので、オンラインイベント企画の際に参考になるでしょう。
専用プラットフォーム 7.EventIn(イベントイン)
https://jp.vcube.com/service/eventin
動画配信 |
専用配信ツール、Zoom、Remo |
デザイン変更 |
規定のデザインテンプレート利用 |
マーケティングツール連携 |
SMP(シャノンマーケティングプラットフォーム) |
ハイブリッドイベント |
未対応 |
サービスの特徴
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配信専用のスタジオもあり、動画配信環境に強い
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年間数千回のオンラインイベントを開催しており経験が豊富
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オンライン展示会では高い回遊性を実現するための機能が充実
EventIn(イベントイン)はTV会議システム、テレワークを推進している会社V-CUBE(ブイキューブ)が提供しているサービスです。
オンラインイベントやセミナーよりも規模の大きいオンライン展示会に向いたサービスになっているのが特徴です。主催者や出展者と参加者のマッチングをしやすくしています。
まとめ
今回はオンラインイベントやセミナー・展示会でのおすすめのオンラインイベントプラットフォームをご紹介しました。
オンラインイベントやセミナー・展示会を開くのであれば、重要なのは顧客やユーザーのデータ活用です。開催する時や事後のフォローで、どんな情報が必要になるのか、どんな情報を活用したいのか。そこを考えた上で、最適なプラットフォームを選ぶ手助けになれば幸いです。
汎用プラットフォームと専用プラットフォームでは、それぞれメリットが違いますので、そのケースに合わせて使っていただければと思います。また細かい機能の違いもありますので、詳細については、提供元の会社にご確認ください。
弊社ではオンラインイベントプラットフォーム選定やイベントサイト構築のお手伝いをしております。 自社でプラットフォームを持ってしまえばマーケティングデータの蓄積や活用も容易となります。
興味のある方は下記のサービスページよりご参照ください。