Case

住まいるダイヤル
https://www.chord.or.jp/

マイホームのお困りごとを速やかに解決に導くサポートサイト

長年の運用でWebサイトの使い勝手が低下、訪問者に適切な情報提供できていない

(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)」に基づき、「住宅紛争処理支援センター」として国土交通大臣の指定を受け、住宅相談や住宅紛争処理の支援等幅広い業務を行っています。

住宅リフォーム・紛争処理支援センターのWebサイトでは、電話相談(住まいるダイヤル)や住宅トラブル解決の支援制度等、提供サービスに関する情報を掲載。さらに、サービス利用者から寄せられた相談を事例として紹介し、サイト訪問者が住宅トラブルを解決する際に参考となる情報を発信しています。

月間4万人に利用されているサイトですが、公開から6年以上経って、ユーザビリティやアクセシビリティが低下、分かり難いサイト構造になっていました。PC向けに作られたサイトのためにスマホではさらに使い難い状態でした。

Webサイトリニューアルによって、分かりやすいページに再構成し、訪問者が求める情報に快適にたどり着けるように改修したい。さらに、住宅紛争処理支援制度の周知・利用を促進するため、コンテンツの充実を図り、積極的な情報発信を行えるようにすることで、訪問者の住宅トラブル等を相談・解決できるWebサイトを目指したい。というご依頼でした。

Webサイト内のコンテンツが多岐にわたりナビゲーションが複雑化

サイトのアクセス解析を行ったところ、トップページからは、電話相談のページ、検索エンジンからは相談事例のページを閲覧して離脱している人が多いことがわかりました。特定のコンテンツの閲覧が集中して、それ以外のコンテンツはあまり見られていないようでした。
せっかく有効なコンテンツがあるにも関わらず、サイト内の導線が整っていないために、回遊性が低く訪問者が情報を十分に取得できずにサイトを離れてしまっているという課題が見えてきました。


Webサイトで情報提供する相手は、一般の住宅所有者だけなく、事業者向けの情報も多数あります。

住宅事業者向けの住宅トラブルに関する技術情報やリフォーム関連資格取得情報、住宅性能評価機関や保険法人向けの情報などです。

それに加えて統計情報や出版情報、住宅リフォームコンテストなど財団の活動に関する情報もあります。

そのためサイトに訪れるターゲットユーザーも多岐に渡ります。ターゲットそれぞれの入り口を並べたためにサイトのトップページは情報満載で、欲しい情報の入り口が分かりにくくなっていました。

そこで、サイト内の情報を洗い出し、トップページでは取捨選択と優先順位づけによって、目的とする情報に誘導。サイト内では関連する情報へ回遊できる導線整理を行いました。

Webサイトを分割することで複数ターゲットに対してスムーズな導線を提供

リニューアルサイトの設計で1番大きな改修ポイントは、1つのWebサイトを2つに分割したことです。

利用者の多い一般の住宅所有者向けのトラブル解決を目的とする「住まいるダイヤルサイ(相談サイト)」、事業者向けの情報提供と財団の情報発信を担う、「住宅リフォーム・紛争処理支援センターサイト(財団サイト)」の2つです。

分割したのは2つの理由からです。

1つ目は、検索エンジンからの流入キーワードの分析から、一般の住宅所有者はサービス名である「住まいるダイヤル」、事業者は正式名称の「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」で検索されていたので、サイトを分けることで検索エンジンの検索結果を最適化し、目的のサイトにスムーズに情報に誘導できると考えたのです。

2つ目は、サイトを分割することで、ターゲットに不必要な情報を減らすことによってトップページをシンプルにすることができます。それはスマホの狭い画面でも使い勝手を上げることになります。
相談サイトでは、トラブルで困っている訪問者に対して、安心感や親しみを持ってもらえるようにイラストを多用し、わかりやすく誘導するためにタイトルも簡潔なものに差し替えました。

コンテンツ拡充でオンラインのトラブル解決力をアップ

Webサイトのリニューアルに合わせて掲載コンテンツの拡充によるトラブル解決力の向上を行いました。

アクセスを集めていた「相談事例検索」は住宅トラブルに専門家が回答するこのサイトならではのコンテンツです。しかし事例検索の機能が使い難い、専門用語が使われてわかりにくいといった声もありました。

そこで、トラブルの事象をアンケート形式で入力することで、目的の相談事例を絞り込める「トラブル解決ナビ」、相談事例を元にして、専門知識のない一般の方にトラブルの原因と解決法をわかりやすく解説した「よくある相談」を作成しました。

公開前のユーザーテストでも好評で、トラブル解決できるWebサイトに一歩前進しました。

さまざまな利用者に対応するため、アクセシビリティにも配慮しています。JIS規格に定められたアクセシビリティ達成基準レベルAAに準拠したデザインテンプレートを作成しました。それをアクセシビリティに準拠したページ生成機能を持つCMSである「PowerCMS」に組み込むことで、コンテンツ追加、更新時にも、専門知識の無い担当の方でも安心してページを作成できるようになりました。

住まいるダイヤルでは、年間3万件以上の電話相談を受けています。それに加え、このWebサイトのリニューアルによって、さらに多くの住宅所有者、住宅事業者のトラブル解決に貢献できることでしょう。

 

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター

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