紀ノ国屋は東京、神奈川を中心に店舗を展開するスーパーマーケットチェーンです。こだわりある商品ラインナップときめ細やかなおもてなしに根強いファンが多いのが特長です。
運営しているECサイトはオープンから10年以上経過、その間に大きなリニューアルをせずにいたため、サイトの設計が古く、スマートフォンにも未対応でした。
しかし利用者の8割はスマートフォンでアクセスしており、決して利用しやすいサイトとは言えない状況となっていました。
コアなファンに支えられてきたECサイトですが、コロナ禍で外出できなくなったことをきっかけとして売上が急増していました。さらなる売上向上にも対応できるように全面的にリニューアルが決定しました。
リニューアルで実現したいことは２つありました。
1.「お客さまにとって、利便性の高いサイトを作ること」
お客さまに喜んでいただくために、買いたい物にたどり着きやすく、決済までスムーズに出来るサイト。売る側としても、ぜひ買って欲しい、おすすめ商品をすぐに見つけてもらえるサイト。もちろんスマートフォン対応は必須です。
2.「販売量拡大に対応できる業務改善を行うこと」
公式のECサイト以外にも楽天市場、JREモールに出展しており、販売量の増加に比例して、バックヤードも業務量も増加していました。業務負荷を下げて販売量の拡大に耐えられるよう、複数販売チャネルを効率的に運用するためのツール導入、運用改善が求められました。
お客さまが探し回らなくても、
欲しいものがお薦めされるサイトへ
わたしたちは、紀ノ国屋の強みである高品質な「商品」と「おもてなし」をどうしたらデジタルで提供できるか、そのためのサイトはどうあるべきかを考えました。
紀ノ国屋の魅力は安さではありません。厳選された商品はどれもこだわりをもって高品質に作られたものです。そのこだわりを伝えるために、商品を詳しく説明できるように、写真も大きくして品質が伝わるようにサイトをデザインしました。
ECサイトと店舗のブランドイメージに一貫性をもたせるために、紀ノ国屋のロゴタイプではなく、店舗のショッピングバッグにプリントされているロゴマークをサイトのシンボルとしました。
お客さまによって必要なもの、気に入るものはそれぞれ違います。店舗では店員さんが、お客さまの利用シーンや好みをお聞きして、最適な商品をおすすめしてくれます。
オンラインでも同じように、ひとりひとりのお客さまに対して、閲覧した商品や購入履歴から、最適な商品をおすすめする。そんな機能を持たせることとしました。
紀ノ国屋らしい店構えと使いやすいUIデザインで楽しくショッピングできる、迷っても的確にお勧めしてくれる安心感を持てるサイト。これがリニューアルの方針となりました。
お客さまだけでなく従業員にも使いやすく
バックヤードを支えるシステムを刷新
表に見えるデザインだけでなく、サイトを支えるシステムも刷新しました。これまではやっていなかった、ポイントやクーポンの発行、定期便や限定販売など、決済や配送などの業務要件を満たせるECプラットフォームとして「Futureshop」を選定しました。
スマートフォンユーザーをメインターゲットとしてデザインの設計を一新しました。そのためPCデザインをベースにしているFutureshop標準のデザインテンプレートは、フルカスタマイズを行いました。特に人気の高いエコバッグやギフトはカテゴリー独自のレイアウトデザインを用意しました。
リニューアルを進める中で、商品をより見つけやすくするために商品カテゴリーの見直しや検索機能の強化を行いました。
バックヤード業務の課題となっていた複数のショップからの受注を効率的に捌いていくために複数ショップを一元管理するシステム「CROSS MALL」の導入を行いました。
これまでは商品登録や在庫調整、注文もショップ毎にばらばらに対応していました。これらのデータを一元管理することで、バックヤード業務を一つにまとめて効率化することができるようになります。
バックヤード業務を行う上で最も重要な、顧客情報、注文情報をまとめた受注票生成については、システムのデータに紀ノ国屋独自でバーコード情報を付加するためにオリジナルでツール開発を行いました。
表も裏もすべてを入れ替える大規模なリニューアルでしたが、バックヤードを支える現場の対応力と臨機応変なフォローによって、大きなトラブルもなく公開できました。
公開後もお客さまにショッピングを楽しんでいただけるように、デザインやUI改善、システムの追加開発を続けています。幸いお客さまからも好意的なレビューをいただき、売上も順調に伸びています。
もっともっと多くの人に紀ノ国屋のこだわりある商品を届けるために、紀ノ国屋公式オンラインストアは日々進化していくのです。